矯正治療のサポート

治療中のトラブル対処

矯正生活を安心して快適に過ごしていただくために。

当院では、みなさまが安心して矯正期間中を過ごせるように、急なトラブルや想定外のことへの対処、また未然の予防などを行う体制を整えております。患者さんが快適に矯正治療を終え、良い治療結果を得るために、スタッフ全員が努力を惜しみません。しっかりとコミニュケーションを取りながら治療を行っていきます。

装置が外れた・変形・破損

画像:装置が外れた・変形・破損

人間の噛む力はとても強く、時には何十キロといった大きな力を発します。表側や裏側の一般的な矯正装置では「ブラケット」を歯に接着しますが、非常に強い力がかかると外れることがあります。

(最近では矯正用接着剤の強度はとても向上しており、ある程度は強い力にも耐えられます。また歯の表面が傷つかないよう配慮した接着技術を使用しております。)

「歯が動く」矯正の痛み

画像:「歯が動く」矯正の痛み 01 画像:「歯が動く」矯正の痛み 02

矯正治療自体の痛みは「歯が動いてくれている証し」なのですが、治療を始めたばかりの頃は慣れていないため、不安やドキドキによって痛みをより強く感じてしまうこともあると思います。

当院では、治療の仕方や工夫によって、痛みのコントロールを行うとともに、治療の説明と、患者さんの状況に応じた対処を行うことで、安心して治療を受けていただけるように努めております。

痛み止めの服用について

本来、矯正の痛みのために、いつも痛み止めの薬を飲むことはお勧めできませんが、どうしても痛い時にだけ、少量服用してもよいでしょう。

矯正治療後は、4〜5時間すると徐々に痛みを感じ始め、2〜3日後にピークとなります。基本的に歯に触らなければ痛みはありませんが、物を食べたりすると痛みます。痛み止めの薬は1日1〜2回くらいの少量を飲むと有効です。市販のお薬でも十分に効果があります。

痛みは4〜5日程度で徐々に減少し、長くても1週間以内に軽減します。次の治療日(約1ヵ月後)までの間、ずっと痛みが続くわけではありません。

注意点としては、痛み止めの薬には一般的な副作用としてお腹の調子が悪くなることもあります。さらに、体に合わない人によっては、むくみ・発疹・蕁麻疹・眠気・発熱・かゆみといった副作用が出ることもあります。また、長期に渡って連続で使っていると、薬が効きにくくなってしまう上に、胃が荒れてしまうこともありますので、ご注意ください。

装置が当たる・口内炎対策

矯正装置が唇や頬の粘膜に当たって痛んだり、口内炎ができて痛む場合は、下記のような対処をいたします。(矯正治療が進むにつれて歯並びが整うことで、痛みのトラブルも減少します)

ワックスで装置をカバー

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矯正装置が当たって痛い場合は、口内炎ができる前に、リリーフワックスという半透明の粘土で装置をカバーします。お口の中の傷や痛みは回復も早いため、当たるところをワックスで数日カバーすることで、粘膜自体も慣れてきて、痛みが軽減、解消されます。

食事などでワックスが取れてしまうことがありますが、食べても問題のない素材で出来ているのでご安心ください。

その後、当院に急患でお越しいただき、飛び出してしまっているワイヤーを切断することで根本的に痛みの原因を解消します。

口内炎には軟膏処方と装置の調整

画像:口内炎には軟膏処方と装置の調整

早期治癒を促す軟膏を処方し、さらには原因となった矯正装置の尖っている部分を丸めたり曲げたりするなどの調整を行います。

虫歯・歯周病・歯肉炎の予防処置

画像:虫歯・歯周病・歯肉炎の予防処置

当院では、治療を始める前と、毎回の通院時に、お口の中の清掃状態や、虫歯・歯周病に対するリスクの程度などに応じて、口腔ケアと歯磨き指導などを行い、予防に努めております。

また、虫歯のリスクの高い場合には、虫歯のリスクの低いシンプルな形状の矯正装置を選ぶなどの対処も可能です。

通院毎に定期的な歯磨き指導

画像:通院毎に定期的な歯磨き指導

その方の状況に応じて、矯正装置の周りや、歯ブラシが届きにくい部分などを中心に、歯磨き指導を繰り返し行っております。

  • 普段の歯ブラシの上手な使い方
  • デンタルフロスや歯間ブラシの補助用具
  • 電動歯ブラシ
  • 効果的な歯磨き粉の選択

超音波クリーニング・フッ素入りの歯磨き粉によるクリーニング

画像:超音波クリーニング・フッ素入りの歯磨き粉によるクリーニング

日常の歯ブラシでどうしても汚れが落ちにくくなっている場合には、当院でプロフェッショナル・クリーニングを行います。超音波によるクリーニングや、細かい粒子が入ったペーストを使った歯の表面の研磨、リナメルトリートメントなどを行います。

洗口液の使用

画像:洗口液の使用

虫歯や歯周炎のリスクが高い方の場合には、通常の歯磨きの後に細菌の繁殖を防ぐ目的で、洗口液を使って1日数回うがいすることにより、虫歯や歯肉炎などを予防します。

フッ素塗布

画像:フッ素塗布

フッ素が歯の表面のエナメル質に取り込まれると、歯の表面は固くなり、虫歯の原因菌が作り出す酸に強く溶けにくくなります。特に生えてきたばかりの歯の表面は弱く、虫歯になりやすい性質を持っているため、生えたての永久歯があるお子さまにはフッ素塗布をお勧めしております。

フッ素の成分が入った歯磨き粉やペーストなども市販されていますが、歯科医院ではフッ素の濃度が高くより効果の高いものを塗布します。

虫歯治療・歯周病治療・抜歯が必要な場合

画像:虫歯治療・歯周病治療・抜歯が必要な場合

矯正治療の開始前、または治療中に、虫歯などの処置が必要な場合には、ご紹介状をお渡しの上、虫歯の専門医院で治療を行っていただきます。

  • その方のかかりつけ医
  • 当院の信頼する一般歯科医院|連携医療機関

また、当院では口腔外科の専門医が月に数回勤務していますので、抜歯などの外科処置が必要な場合は、専門医の治療を受けていただくことが可能です。

矯正治療前に虫歯・歯肉炎・歯周病がある場合

矯正治療開始時に、矯正装置を装着する付近に虫歯がある場合には、装置装着に先立って一般歯科にて治療を行っていただきます。

歯肉炎や歯周炎が見られる場合には、矯正装置装着の前に、ブラッシング指導による歯肉炎の解消や、歯周病治療を行う場合もあります。

虫歯や歯肉炎の程度によっては、矯正治療と並行して治療を行っていく場合もあります。

矯正治療中に虫歯・歯肉炎・歯周病になった場合

矯正治療中に虫歯が発見された場合には、その虫歯の程度と矯正治療の内容を考慮して、適切なタイミングを見計らって、一般歯科で治療を行っていただきます。

特に成人の場合には、歯と歯が重なっている部位にもとからある虫歯が隠れていることがあり、矯正治療による歯の移動にともなってそれが見えるようになるという場合もあります。

また、矯正治療中に歯肉炎が見られる場合には、まず徹底したブラッシング指導による改善を図ります。それでも改善が見られないような場合には、場合によっては矯正治療を中断して、歯肉炎の改善を優先させることもあります。

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