質問集・用語集
く|矯正歯科の用語解説
偶力(ぐうりょく)
大きさが同じで向きが反対の、二つの平行な力の組み合わせです。物を移動させずに、その場で回転させる働きをします。
矯正では、歯をねじって向きを正す(回転)ときや、歯を傾けずに根まで動かす(トルク・歯体移動)ときに、この偶力を利用します。力の組み合わせ方が、歯の動き方を左右します。一方向に押す力は物を移動させますが、大きさが同じで向きが反対の二つの力を平行にかけると、それらは移動の働きを打ち消し合い、その場で回転させる働きだけが残ります。これが偶力です。
この「移動させずに回転させる」という偶力の性質は、矯正で歯を精密に制御する際に活かされます。ねじれた歯をその場で回して向きを正す(回転)とき、また、歯を傾けずに根の向きまで整える(トルクや歯体移動)ときに、この偶力が用いられます。歯を平行に動かしたい場合には、傾こうとする動きを偶力による回転で相殺することで実現します。どのような力とモーメント(偶力)を組み合わせるかによって、歯が移動するか、傾くか、回転するかが決まります。力の組み合わせを設計する、力学の基本的な要素です。
