矯正治療法
多くの歯を残すために
その方の人生を考え、質の良い治療結果を達成し、その上で最大限多くの歯を残すこと。
治療技術の進歩により、従来の矯正治療に比べ、歯を抜かずに理想的な治療結果が得られる可能性は広がりました。注意すべきは、単に歯を抜かなければよいということではなく、「バランスの取れた良い治療結果を維持した上で」最大限多くの歯を残すことが重要です。当院では、そのための努力と工夫を積極的に行なっています。
理想的な治療結果の5項目+1
私たちは、矯正歯科治療の理想的な結果として、この5つの項目がバランス良く十分に満たされている必要があると考えています。さらに、その治療の質を維持しつつも、可能な限り歯を抜かずに残していく治療方針を立てていきます。
矯正治療後の歯の本数パターン
従来の矯正治療では、以下の04番のように合計8本抜歯することが通常でしたが、当院では様々な治療技術を応用し、残せる歯の本数をできる限り多くしたり、もし抜歯が必要な場合でも、できるだけ状態の良くない歯を抜歯の対象として選ぶなど、その方の今後を考えて様々な努力と工夫を行なっております。
ここで大切なことは、「親知らずの有効活用を踏まえた治療方針」を立てることです。一般的に「親知らずは抜歯していい」という先入観がありますが、歯単体としてみれば決して不要ではなく、十分に機能する場合も多いのです。当院では多くの方が、親知らずを有効活用してより良い歯並びを手に入れています。詳しくはご相談ください。
01 32本|抜歯なし(親知らず含め全て並べる)
02 28本|親知らず4本抜歯
03 28本|小臼歯4本抜歯・親知らずを並べる
04 24本|小臼歯4本抜歯・親知らず4本抜歯
歯がキレイに並ぶためのスペース確保方法
でこぼこ・八重歯
口元・歯が出ている
生えている歯のサイズと本数に対して、お顔やあごが小さい場合、歯が並ぶスペースが足りないため、でこぼこの歯並びや、口元が出ているなどの症状となります。この場合、歯がキレイに並ぶためのスペースを確保する必要があり、下記のような方法があります。
01 抜歯をする
便宜的に歯を抜くことでスペースを確保します。空いたスペースに、奥歯と前歯を綱引きさせることで、隙間を閉じ、前歯を引っ込めたり、でこぼこを解消したりします。
02 奥歯をもっと奥へ動かす
矯正用アンカースクリューを歯茎に埋め込み、それを軸として一番奥の歯(第2大臼歯)をさらに奥へ引っ張って動かすことでスペースを広げます。親知らずを抜いた場合(個人差はありますが)その位置まで奥歯を移動することが可能です。
この治療法によって、従来であれば小臼歯などを抜かなくてはならない症状でも、抜かずに治療できる可能性が上がりました。
03 歯並びを横方向に広げる
歯列を横に広げることで、歯列の長さを増やし、歯が並ぶスペースを広げます。過度の拡大は後戻りなどの原因となるため、拡大できる程度は限られます。
04 歯の表面をわずかに削る
歯の表面はエナメル質でコーティングされています。小臼歯部から前歯部にかけて、それぞれの歯と歯の間を0.1〜0.3mm程度削ることで、少しでもスペースを確保する方法です。わずかな削合ですので、虫歯やしみたりする心配はありません。