症状と治療実績
過蓋咬合
上下の前歯の重なり合いが深く、下の歯が見えない状態です。(別名:ディープバイト)
食事や会話の際に、下あごの動きを抑えてしまい、歯やあごに負担がかかりやすい状態です。特に、かみ込んだ際に、下の前歯で上の前歯を慢性的に突き上げてしまっていると、上の前歯の根っこ(歯根)を障害して歯根吸収などの問題を生じる可能性があります。
かみ合わせの深さと、噛む力の強さには関連があり、エラの張ったお顔立ちの方はかみ合わせが深くなりやすい傾向にあります。つまり原因は、骨格的な原因と、歯並びのズレの原因と両方が考えられます。上顎前突で、特に下の前歯にでこぼこが多く、噛む力の強い人は過蓋咬合となりやすいタイプと言えます。
過蓋咬合の改善例
治療の途中経過を見る
お悩み(主訴)
診断名
過蓋咬合を伴う上顎前突症
主な症状
過蓋咬合の治療を行う上で重要なことは、その状態が引き起こされた原因をよく考えることです。その原因をよく理解した上で治療計画を立てないと、矯正治療後に安定した状態が得られないと言えます。矯正治療において重要なことは良質な治療結果を得ることと同時に、得られた治療結果が長期に安定して良好な予後が得られることと言えます。過蓋咬合の場合は、もともとかむ力が強いことが予想されます。矯正治療の方針を立てる上でもできるだけ多くの歯を残してその荷重に耐えられる歯列を構築することが大切と言えます。
治療内容
上の左右の第一小臼歯、下の左右の親知らずを抜歯したマルチブラケット治療
年齢・性別
17歳・女性
治療に用いた主な装置
抜歯部位
上の左右の第一小臼歯、下の左右の親知らずを抜歯
治療期間
2年1ヵ月。動的治療が完了するまでの治療回数:23回。
治療費
装置料・基本契約施術料として90万円(税別)。その他として検査料3万5千円、診断料1万5千円、毎月の調整料3〜6千円(税別)。自由診療であり治療費は全額自己負担、健康保険証は使えません。
リスク・副作用
矯正治療上のリスクとして、虫歯の発生、歯根吸収、歯肉炎・歯周炎の発生、などが考えられた。本症例では幸いにも、そのような望ましくない偶発症状は認められず、無事に動的治療を完了することができた。
過蓋咬合の改善例
治療の途中経過を見る
お悩み(主訴)
診断名
過蓋咬合を伴う上顎前突症
主な症状
もともと噛む力が強いことでかみ合わせが深くなり、過蓋咬合が引き起こされたと考えられる状態です。原因をよく理解した上で治療計画を立てないと、矯正治療後に安定した状態が得らにくくなります。この症例では、安定した予後が得られるように、できるだけ多くの歯を残して荷重に歯列が耐えられるように配慮した治療方針を立てました。実際には全ての親知らずのみを抜歯して、小臼歯を全て残した状態で治療を行いました。
治療内容
上下左右の親知らずを抜歯したマルチブラケット治療
年齢・性別
16歳・女性
治療に用いた主な装置
抜歯部位
上下左右の親知らずを抜歯
治療期間
2年8ヵ月。動的治療が完了するまでの治療回数:30回。
治療費
装置料・基本契約施術料として85万円(税別)。その他として検査料3万5千円、診断料1万5千円、毎月の調整料3〜6千円(税別)。自由診療であり治療費は全額自己負担、健康保険証は使えません。
リスク・副作用
矯正治療上のリスクとして、虫歯の発生、歯根吸収、歯肉炎・歯周炎の発生、などが考えられた。本症例では幸いにも、そのような望ましくない偶発症状は認められず、無事に動的治療を完了することができた。