症状と治療実績
外傷性咬合・歯茎が下がっている
極端に力が前歯の根にかかると、歯根吸収や歯肉退縮などの深刻な症状につながる場合があります。このような症状を引き起こすかみ合わせの状態を、外傷性咬合と呼びます。健康面、機能面の観点からも矯正治療による改善が望まれる症状の一つです。
外傷性咬合の改善例
治療の途中経過を見る
お悩み(主訴)
診断名
下顎前突症
主な症状
元々の上下のあごの位置にズレがあり、骨格的な受け口の症例です。中学生頃に矯正治療を受けましたが、その治療後、あごがさらに成長してしまい結局また反対咬合となってしまいました。またもともと骨格的に噛む力が強く、上下の前歯が反対であることもあり強く接触しすぎたことにより、外傷性咬合となっていました。下の前歯には隙間ができてしまい、下の前歯の周囲の歯茎が下がり、歯の動揺が見られました。
再び矯正治療で骨格のズレを改善せずに、上下の前歯の傾きだけで反対を改善することは、歯茎の低下などのリスクから望ましくありません。外科的にあごの手術を併用した矯正治療を行うことで、骨格的なズレから改善し、過度な矯正治療の負担が歯茎に及ぼないように配慮しならがら治療を行いました。結果として反対咬合や受け口の顔貌も改善され、根本的な外傷性咬合の原因も解消して下の前歯の歯茎の状態も治療前よりも改善されました。
治療内容
歯を抜かないで行った外科的矯正治療
年齢・性別
33歳・男性
治療に用いた主な装置
抜歯部位
非抜歯治療
治療期間
3年4ヵ月。動的治療が完了するまでの治療回数:41回。
リスク・副作用
リスクとして、外科手術や全身麻酔に伴うアレルギーや発作、下顎管の損傷による知覚麻痺の発生、矯正治療に伴う歯根吸収などが考えられた。本症例では幸いにも、リスクに挙げた症状の発生はなく、無事に動的治療を完了した。