矯正治療法
治療法と装置の種類|一覧
みなさまのご要望に応えられるように、矯正装置や治療法には様々な種類があります。
こちらでは、矯正治療上の様々な選択肢についてご説明いたします。その方に適した矯正治療法など具体的な内容は、一度ご来院いただき、お口の中を拝見した上で、ご説明することが可能です。まずは当院の初診相談までお越しください。
このページには多くの選択肢が並びますが、大切なのは選ぶ順序です。まず、精密検査でその方の症状を正確に把握する。次に、目指す治療のゴールを定める。そのゴールを実現できる装置の候補を、利点・留意点・費用とともに並べる。そして最後に、患者さんご自身にお選びいただく。装置は治療の目的ではなく、目的を実現するための手段です。同じゴールへ複数の装置で行けることもあれば、症状によっては選べる装置が限られることもあります。なお、どの装置を選んでも、歯が動く生物学的なしくみは共通です(→ 「歯が動く」矯正のしくみ・理想的な治療結果とは)。
基本となる矯正装置
ここに並ぶ四つを「基本」と呼ぶのは、これらが装置を、どこに付けるか(表か裏か)、取り外せるか、成長を使うか、という最も大きな枠組みで分けたものだからです。多くの治療は、この基本の組み合わせと応用で成り立っています。実際の治療では、よく見える上の歯は裏側に、下の歯は表側に(ハーフリンガル)というように組み合わせることもあれば、治療の段階によって装置を替えることもあります。装置の名前は治療の入り口にすぎず、その装置で何をどこまで動かすかという計画こそが、治療の中身です。
目立たない・見えない矯正装置の比較
目立たない唇側からの矯正
別名|ラビアル・唇側矯正
メリット
- 装置の種類や術式が豊富
- 従来からの方法で安心
- 他の方法より費用が抑えられる
- 発音への影響はない
デメリット
- 笑うと装置が見える
- 唇や頬の違和感がある
舌側矯正
別名|リンガルブラケット矯正法・舌側矯正
メリット
- 装置が外から見えない
- 頬の裏や唇が傷つきにくい
- 虫歯になりにくい
- ホワイトニングが可能
デメリット
- 発音に影響が出ることがある
- 唇側矯正より費用が高価
マウスピース型の矯正装置
マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置
メリット
- 透明でほとんど見えない
- 取り外し可能で違和感が少ない
- 虫歯になりにくい
- ホワイトニングが可能
デメリット
- 適応範囲は症状による
- マウスピースを常に装着
目立たない唇側からの矯正
歯の唇側・表側・外側に矯正装置を装着する従来からの方法で、歯の移動効率の良い装置、目立ちにくい装置、など装置や術式の選択肢が豊富です。
当院では、目立たない矯正装置(透明なブラケットや目立ちにくいワイヤーなど)を追加料金なしでご提供しております。舌側の矯正装置などと比べても、比較的に費用が安価な選択肢です。
舌側矯正
装置を歯の舌側・裏側・内側に装着することで、外から見えることなく、外から装置が見えにくいため、装置が見えては困るご事情のある方の選択肢となります。治療の効果という点でも、確立された方法です。費用は、ほかの方法と比べて高くなります。
ハーフリンガルブラケット矯正法
笑った時に見えやすい上の歯だけ舌側装置にして、下は唇側・表側に装着するという治療法があります。上下舌側よりも費用が抑えられます。
マウスピース型の矯正装置(マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置)
マウスピース型の矯正装置で歯並びを治す治療法です。透明でほとんど見えません。取り外し可能で、虫歯になりにくく、金属を用いないため、金属アレルギーの方でも大丈夫です。
コンピューターにより歯を動かす量や方向を正確に計画されるので、矯正治療中に生じる痛みも他と比べ少ないと言えます。他の方法と比べ、症状の程度によっては適応が限られるので、正確な治療技術や経験、判断が求められます。
上の比較を読むときに、二つ心に留めていただければと思います。第一に、メリットとデメリットは絶対的な優劣ではなく、何かを得れば何かを譲るという関係の一覧だということです。たとえば「見えない」ことと費用、「取り外せる自由」と装着時間を守る責任は、多くの場合セットで動きます。何を重視されるかによって、同じ特徴が長所にも短所にもなります。第二に、それぞれの特徴の重みは症状によって変わるということです。「適応範囲は症状による」という一行は、マウスピース型だけの注意ではなく、すべての装置選びの前提です。表で全体像をつかみ、詳細は各装置のページへ、最終的な判断は診断で、という順にお使いください。
なお、「虫歯になりにくい」という表現について補足します。これは装置自体にむし歯を防ぐ力があるという意味ではなく、清掃のしやすさに由来する相対的な傾向です。マウスピース型は食事と歯みがきのときに取り外せるため、装置が付いたまま磨く必要がありません。一方で、装着したまま糖分を含む飲み物をとると、かえってリスクが高まります。表側の装置も、正しく磨けば十分に清潔を保てます。どの装置でも、むし歯予防の主役は装置の種類ではなく、日々の清掃と生活習慣です(→ 矯正中の生活・食事・歯磨き)。
ご要望に応じて(痛みや治療期間などへの配慮)
この節に並ぶ、痛み・歯を残すこと・期間・タイミング・アンカースクリュー・外科・ホワイトニングといった選択肢について、当院の姿勢を一つお伝えします。これらの配慮は、いずれも治療の質という土台の上に成り立つものであり、質と引き換えにするものではありません。たとえば治療期間への配慮は、生体を急がせることではなく、計画の無駄をなくすことを意味します(→ 治療期間への配慮)。多くの歯を残すための配慮は、抜かないことを目的にするのではなく、質の高い結果と両立できる範囲でできる限り歯を残すという考え方です(→ 多くの歯を残すための配慮)。ご要望をうかがうことと、専門家として最善をお示しすることの両方を大切にしています。
症状に応じて
この節に並ぶのは、一般的な歯並びの治療とは別に、特定の状況に対応するための治療です。いずれも、その症状だけを単独で見るのではなく、お口全体のかみ合わせと将来を見据えて適否を判断する必要がある領域です。たとえば部分矯正は、簡単そうに見えて、全体のかみ合わせへの影響を読む診断の目が要ります。ご自身の状況がこれらに当てはまるかどうかも含め、初診相談でご相談ください。
保険適用科目
矯正歯科治療は原則として自由診療ですが、ここに挙げた治療については、例外として健康保険の対象となります。対象となるのは、厚生労働大臣が定める先天性疾患に起因するかみ合わせの異常、唇顎口蓋裂、外科手術を必要とする顎変形症、および前歯3歯以上の永久歯が生えてこないこと(萌出不全)に起因するかみ合わせの異常(埋伏歯の開窓を要するもの)です。これらの治療は、国が定める施設基準を満たし、届け出た医療機関でなければ行うことができません。当院はその要件を満たしています(→ 施設基準)。対象となるかどうかは、症状と診査にもとづく診断の結果として決まります。
このページの監修
尾崎 周作(歯学博士/東京科学大学大学院修了)
- 尾崎矯正歯科クリニック 院長
- 東京科学大学(旧 東京医科歯科大学)咬合機能矯正学分野 臨床教授
- 日本歯科専門医機構認定 矯正歯科専門医
最終更新:2026年8月3日
当ページの内容は一般的な事柄についてのご説明です。診断や治療方針は、ご来院のうえ、口腔内を拝見してから承ります。
