症状と治療実績
交叉咬合
交叉咬合(こうさこうごう)とは、前歯のでこぼこにより、部分的に上の歯より下の歯が前に出て、かみ合わせが反対になってしまっている状態です。交叉咬合が生じると、咬合干渉や咬合性外傷などの歯への無理な負荷を生じることがあり、歯根吸収や歯肉退縮などの深刻な症状へとつながる場合もあります。機能的にも治療による改善が望まれる症状の一つです。
交叉咬合には二つの型があります
上の導入でご説明したのは、前歯の一部が逆に咬んでいる前歯部の交叉咬合です。もう一つ、知っておいていただきたいのが奥歯の交叉咬合——上の奥歯が下の奥歯の内側に入り込み、横方向のかみ合わせが逆になっている型です。
特に注意したいのは、片側だけの奥歯の交叉咬合です。咬み込むたびに下あごが交叉している側へ誘導されるため、成長期のお子さまでは、下あごが偏った位置で機能し続けることが、あごの左右非対称な発育と関連しうるとされています(→ アゴが曲がっている・上下正中線のズレ)。
当院は「早すぎる治療を行わないこと」を大切にしていますが、それは「どの症状も遅くてよい」という意味ではありません。症状によって最適な時期は異なり、片側性の交叉咬合のように、成長への影響の観点から比較的早い段階での対応が検討される症状もあります。見つかったら、まず「相談」を。対応の要否と時期は、成長の記録を見ながらご一緒に判断します(→ 治療開始のタイミング)。
交叉した歯に何が起きるか
歯には、縦方向(歯の軸に沿った方向)の力には強く、横方向の力には弱いという性質があります。交叉した部分の歯は、咬むたびに横滑りの力を受けやすく、これが導入にある咬合性外傷——歯の根や歯ぐきへの負担——の正体です。また、逆向きに咬み合った歯は、あごが滑らかに動くための通り道の「障害物」となり(咬合干渉)、それを避けようとするあごの動きが、筋肉や関節への負担につながることがあります。
見た目には一部分の問題に見えても、力学的には歯列全体とあごの運動に関わる問題である——それが、交叉咬合の治療的な意味です(→ 外傷性咬合・歯茎が下がっている)。
よくいただくご質問
Q. いつも片側だけで咬んでいる気がします。関係ありますか?
A. 交叉咬合があると、咬みやすい側に偏ることがあります。逆に、偏った咬み癖が筋肉や歯のすり減りの左右差につながる場合もあり、どちらが先かはご自身では判別できません。かみ合わせの診査で確かめられます。
Q. 子供の交叉咬合は、急いだほうがよいのですか?
A. 片側性の奥歯の交叉咬合など、成長への影響が懸念される型では、比較的早い対応が検討されることがあります。ただし「即治療」とは限らず、まずは状態の評価と経過の記録からです。気づいた時点でご相談ください。
Q. マウスピース型の装置でも治せますか?
A. 交叉の型と原因によります。横方向の歯の移動やかみ合わせの誘導が必要な場合、装置ごとの得意・不得意が関わりますので、診断のうえで適した方法をご提案します(→ 治療法と装置の種類)。
交叉咬合には二つの型があります
上の導入でご説明したのは、前歯の一部が逆に咬んでいる前歯部の交叉咬合です。もう一つ、知っておいていただきたいのが奥歯の交叉咬合——上の奥歯が下の奥歯の内側に入り込み、横方向のかみ合わせが逆になっている型です。
特に注意したいのは、片側だけの奥歯の交叉咬合です。咬み込むたびに下あごが交叉している側へ誘導されるため、成長期のお子さまでは、下あごが偏った位置で機能し続けることが、あごの左右非対称な発育と関連しうるとされています(→ アゴが曲がっている・上下正中線のズレ)。
当院は「早すぎる治療を行わないこと」を大切にしていますが、それは「どの症状も遅くてよい」という意味ではありません。症状によって最適な時期は異なり、片側性の交叉咬合のように、成長への影響の観点から比較的早い段階での対応が検討される症状もあります。見つかったら、まず「相談」を。対応の要否と時期は、成長の記録を見ながらご一緒に判断します(→ 治療開始のタイミング)。
交叉した歯に何が起きるか
歯には、縦方向(歯の軸に沿った方向)の力には強く、横方向の力には弱いという性質があります。交叉した部分の歯は、咬むたびに横滑りの力を受けやすく、これが導入にある咬合性外傷——歯の根や歯ぐきへの負担——の正体です。また、逆向きに咬み合った歯は、あごが滑らかに動くための通り道の「障害物」となり(咬合干渉)、それを避けようとするあごの動きが、筋肉や関節への負担につながることがあります。
見た目には一部分の問題に見えても、力学的には歯列全体とあごの運動に関わる問題である——それが、交叉咬合の治療的な意味です(→ 外傷性咬合・歯茎が下がっている)。
よくいただくご質問
Q. いつも片側だけで咬んでいる気がします。関係ありますか?
A. 交叉咬合があると、咬みやすい側に偏ることがあります。逆に、偏った咬み癖が筋肉や歯のすり減りの左右差につながる場合もあり、どちらが先かはご自身では判別できません。かみ合わせの診査で確かめられます。
Q. 子供の交叉咬合は、急いだほうがよいのですか?
A. 片側性の奥歯の交叉咬合など、成長への影響が懸念される型では、比較的早い対応が検討されることがあります。ただし「即治療」とは限らず、まずは状態の評価と経過の記録からです。気づいた時点でご相談ください。
Q. マウスピース型の装置でも治せますか?
A. 交叉の型と原因によります。横方向の歯の移動やかみ合わせの誘導が必要な場合、装置ごとの得意・不得意が関わりますので、診断のうえで適した方法をご提案します(→ 治療法と装置の種類)。
交叉咬合の改善例①
治療の途中経過を見る
お悩み(主訴)
診断名
交叉咬合
主な症状
前歯のでこぼこにより上下の前歯が交叉している状態です。このような状態だと、上下の前歯強く接触してしまい、歯の根や歯茎に悪い影響を及ぼす外傷性のかみ合わせとなりやすい状態です。奥歯から前歯まで交叉やでこぼこを改善し、緊密で機能的なかみ合わせが得られました。どこか一部分のかみ合わせが強い状態は外傷性咬合となりやすく、全体に満遍なく力が分散するような緊密でバランスのとれたかみ合わせを得ることが大切です。
治療内容
歯を抜かないで行ったマルチブラケット治療
年齢・性別
16歳・女性
治療に用いた主な装置
抜歯部位
非抜歯治療
治療期間
1年7ヵ月。動的治療が完了するまでの治療回数:19回。
治療費
装置料・基本契約施術料として75万円(税別)。その他として検査料3万5千円、診断料1万5千円、毎月の調整料3〜6千円(税別)。自由診療であり治療費は全額自己負担、健康保険証は使えません。※ 上記は治療当時の費用です。消費税率の変更や料金改定により、現在の費用とは異なります。現在の費用は当サイトの「治療費・お支払い方法」のページをご覧ください。
リスク・副作用
矯正治療上のリスクとして、虫歯の発生、歯根吸収、などが考えられた。本症例では幸いにも、そのような望ましくない偶発症状は認められず、無事に動的治療を完了することができた。
掲載している症例について
- 当院の矯正歯科治療は、顎変形症・唇顎口蓋裂・厚生労働大臣が定める先天性疾患などで保険が適用される場合を除き、自由診療です。自由診療の治療費は全額自己負担となり、健康保険証はお使いいただけません。
- 掲載している治療費は掲載当時の金額で、現在の料金とは異なります。現行の費用は治療費・お支払方法をご覧ください。
- 治療期間・通院回数は上記のとおりですが、症状、年齢、顎の成長、装置の使用状況によって異なります。
- 矯正歯科治療には、痛みや違和感、歯根の吸収、歯肉の退縮、歯の失活、後戻りなどが生じることがあります。詳しくは矯正歯科治療に伴うリスクや副作用をご覧ください。
- 治療結果には個人差があり、同様の結果を保証するものではありません。
- 治療内容・期間・費用についてのご説明は、ご来院のうえ、口腔内を拝見してから承ります。→初診相談のご案内
交叉咬合の改善例②
治療の途中経過を見る
お悩み(主訴)
- 前歯が反対になって交叉している
- 前歯がねじれている
診断名
上顎前突症
主な症状
永久歯の前歯の生えかわりの時期に、上下の前歯反対となり咬み込んだ際に強く接触している状態でした。このように上下の前歯が強く接触していると、歯の根や歯茎に悪い影響を及ぼす外傷性咬合となりやすい状態です。成長期に上下のあごの成長誘導を行うと同時に、上下の前歯の位置や傾きを改善することで、正常なかみ合わせが得られました。成長の旺盛な時期に、機能的に不正な咬合や外傷性咬合に注意しながら、適切な上下のあごの成長誘導と歯の配列を行うことは、将来、永久歯が生えそろう時期の前準備として重要です。
治療内容
年齢・性別
8歳・男性
治療に用いた主な装置
- リンガルアーチ
- 2×4システム
抜歯部位
非抜歯治療
治療期間
1年1ヵ月。動的治療が完了するまでの治療回数:13回。
治療費
装置料・基本契約施術料として35万円(税別)。その他として検査料3万5千円、診断料1万5千円、毎月の調整料3〜6千円(税別)。自由診療であり治療費は全額自己負担、健康保険証は使えません。※ 上記は治療当時の費用です。消費税率の変更や料金改定により、現在の費用とは異なります。現在の費用は当サイトの「治療費・お支払い方法」のページをご覧ください。
リスク・副作用
矯正治療上のリスクとして、虫歯の発生、歯根吸収、などが考えられた。本症例では幸いにも、そのような望ましくない偶発症状は認められず、無事に動的治療を完了することができた。
掲載している症例について
- 当院の矯正歯科治療は、顎変形症・唇顎口蓋裂・厚生労働大臣が定める先天性疾患などで保険が適用される場合を除き、自由診療です。自由診療の治療費は全額自己負担となり、健康保険証はお使いいただけません。
- 掲載している治療費は掲載当時の金額で、現在の料金とは異なります。現行の費用は治療費・お支払方法をご覧ください。
- 治療期間・通院回数は上記のとおりですが、症状、年齢、顎の成長、装置の使用状況によって異なります。
- 矯正歯科治療には、痛みや違和感、歯根の吸収、歯肉の退縮、歯の失活、後戻りなどが生じることがあります。詳しくは矯正歯科治療に伴うリスクや副作用をご覧ください。
- 治療結果には個人差があり、同様の結果を保証するものではありません。
- 治療内容・期間・費用についてのご説明は、ご来院のうえ、口腔内を拝見してから承ります。→初診相談のご案内
このページの監修
尾崎 周作(歯学博士/東京科学大学大学院修了)
- 尾崎矯正歯科クリニック 院長
- 東京科学大学(旧 東京医科歯科大学)咬合機能矯正学分野 臨床教授
- 日本歯科専門医機構認定 矯正歯科専門医
最終更新:2026年8月3日
当ページの内容は一般的な事柄についてのご説明です。診断や治療方針は、ご来院のうえ、口腔内を拝見してから承ります。
